Kanさんに聞く! 結婚、家族って何? 自分やみんなの幸せのために、今できること【後半】自分やみんなの幸せのために、今できること
お話を聞いた人
Kanさん
画像左がKan(カン)さん、右はパートナーのTom(トム)さん。
大学在学中にカナダに留学。大学卒業後はイギリスの大学院でジェンダー・セクシュアリティについて学ぶ。帰国後はけしょう品会社に入社し、マーケティング業務を担当。2019年にNetflix『クィア・アイin
Japan!』のエピソード2に出演。性的マイノリティ当事者として、自分らしさやセクシュアリティをテーマにSNSでの発信や、企業、学校での講演活動をおこなっている。
はる
ココカラ学園 インタビュー部
ココカラ学園の生徒「はる」がインタビューをお届けします。サッカーと、かわいいくまのキャラクターが大好き。
はる
前半では、Tomさんとの出会いや結婚を決めた理由などについてのお話をうかがいました。後半もよろしくお願いいたします!
Kan
こちらこそ。よろしくお願いします!
今回はこんなことを聞いてみたよ
- みんなが幸せに生きていくために、ぼくたちにできることって?
- 自分の幸せについて考えてみよう!
- Kanさんからのメッセージ
みんなが幸せに生きていくために、ぼくたちにできることって?
はる
みんながKanさんのように幸せに生きていくために、ぼくら子どもたちが今からできることってあるのでしょうか?
Kan
ステキな心がけですね! ぼくは、「セクシュアルマイノリティ(※)」です。その立場からお話をすると、まず「セクシュアルマイノリティ」について、知ってもらうことが大きなステップなのかなって思います。
※もっと知りたい人は、人間の多様性を考えるも読んでみてね。例えば自分はセクシュアルマイノリティかなとか、自分のクラスの友達や、まわりにいる人たちの中にセクシュアルマイノリティの人がいるかもしれないなとか。想像することが大きな一歩かなと思うんです。
はる
ぼくも、あまりくわしく知らない気がします。まわりにいるのかな? と考えたこともなかったかもしれません。
Kan
学校でどのくらい学んでいるかも人それぞれですよね。知っている人もいれば知らない人もいて、知識の正しさや深さも人によると感じています。だからこそ、はるさんのように「何ができるかな?」と思ったみんなには、ぜひ知ることから始めてほしいです。
はる
知る、勉強することなら、ぼくたち子どもにもできそうです!
Kan
うんうん。勉強することももちろんだけど、「出会い」も知ることの一つです。今回ぼくとはるさんが出会ってたくさんお話をしたように、いろいろな人と出会い、お話をしてみてほしいなと思います。
※自分のことを人に伝えることは、すごく勇気がいることです。無理に聞き出そうとしたり、聞いたことを相手の許可なく誰かに伝えたりすることは、絶対にしないようにしましょう。自分の幸せについて考えてみよう!
Kan
もう一つ、ぜひみんなにしてほしいことがあります。それは、自分の幸せについて考えることです。
はる
自分の幸せ……。なんだかむずかしいです。
Kan
はるさんは、自分らしさとか、自分の好きなこと、したいことについて考えるとき、まわりの人はどう思うかなって考えてしまったことはないかな?
はる
あります。サッカー選手になりたいけど、どうせ無理だって思われていそうだなとか、かわいいクマのキャラクターは子どもっぽいって思われていそうとか。
Kan
うんうん。ぼくも小学生のころにはありました。でも、自分で「これが好きだな」って思えていなかったり、自分が幸せじゃなかったりすると、まわりの人を大切にするのってすごくむずかしいと思うんです。
まずは、自分はどういうときに幸せなんだろう、どういうときに自分の生活や人生にワクワクできるんだろう、自分らしさっていつ出ているんだろう、って考えることって、すごく大切なんじゃないかなと思います。
はる
Kanさんは、小学生のころから自分の幸せについて考えていましたか?
Kan
実は、ぼくもあまり考えられていなかったんです。
はる
それはどうしてだと思いますか?
Kan
ぼくの場合は、セクシュアルマイノリティについて知らなかったことが大きな理由だったと思っています。セクシュアルマイノリティであることがどういうことかとか、なぜ自分らしく生きられないのかとか。自分や社会を理解できていませんでした。
そのために、ぼく自身が自分らしさや自分の幸せを大切にできなかった後悔があるんです。
はる
先ほどの「知る」ということが大切、というところにもつながっているんですね。
Kan
そうですね。はるさんたちみんなには、セクシュアルマイノリティのことを知ってもらって、「もしかすると自分やまわりの人もそうかも?」って一度考えてみてほしいです。また、自分らしさや自分の幸せって何だろうってたくさん考えてみてほしいなと思います。
そして、自分が主役として生きられる人生を歩んでもらえたらいいなと思っています。
はる
ぼくも、ぼく自身の幸せについて考えてみます!
Kanさんからのメッセージ
はる
もし、Kanさんが小学生のころの自分にメッセージを伝えられるとしたら、なんと伝えますか?
Kan
だいじょうぶだよって伝えたいです。ぼくは、ものすごく悩んでいたんです。自分はダメだとか、こんな自分でいいんだろうかとか、ずっと思っていて。小学生のころは、自分は同性が好きなんだということはわからなかったけれど、息苦しさを感じてました。
だから、同性を好きになっていいとも思ってなかったし、好きになったパートナーと結婚することになるなんて、夢にも思っていなかったんです。それでも今のぼくがある。とにかくだいじょうぶだよって伝えたいですね。
はる
ありがとうございます。なんだかぼくまで自分に「だいじょうぶだよ」と声をかけたくなりました!
続いて、ぼくや、この記事を読んでいるみんなへメッセージをお願いします。
Kan
自分が日々生活していて、うれしいなとか、楽しいなとか、幸せだなっていうことって、事実としてスッと受け入れられたり、共有できたりすると思うんです。それと全く同じように、苦しいなとか、つらいなっていう気持ちにも、フタをしないでほしいです。
そういう気持ちも事実なんだよって。そういう気持ちを持つこともまちがっていないよ、合ってるよ。って伝えたいです。
はる
どんな気持ちでも、自分が感じたことを大事にしていいんですね。
Kan
はい。つらいことや苦しいことがあったとして、自分では解決できなかったときや、だれかと共有したいとき、みんなに共有できる相手がいたらいいなと思ってます。それは、家族でも家族じゃなくても、友だちでも友だちじゃなくても、誰でもいいんです。
この人だったら、苦しい思いを安心して伝えられるな、信頼できるなっていう人が近くにいたらいいなって思っています。いろんな経験や気持ちを共有する場所は、きっと全国各地にあると思う(※)ので、ぜひ調べてみてください。
※ココカラ学園「相談室」では、悩みの種類や相談方法から、自分にあった相談窓口を探すことができます。ぜひ見てみてくださいね。はる
家族には言いにくいことでも、相談できる人が近くにいるといいなとぼくも思いました。調べてみたいです。
Kan
今はインターネットがあるので、誰もが発信者になって、受信者にもなって、情報共有することができますよね。そういったものもうまく使いながら、自分にとっての居場所をみんなが見つけられるといいなって思っています。
Yahoo!きっずも、みなさんにとっての居場所の一つですよね。今日のこのお話が、一人でも多くの必要な方に届けられたらうれしいなと思っています。
はる
ぼくも友だちにこの記事を伝えて、Kanさんのメッセージをたくさんの人に届けたいです! 今日は本当にありがとうございました!