学校だけがすべてじゃない――メイクとファッションに出会って、ゆうたろうさんが見つけた「自分らしい生き方」【前半】好きな自分になれる「変身ベルト」って?
お話を聞いた人
ゆうたろうさん
2016年、“かわいすぎる美少年”として芸能界デビュー。2018年『3D彼女リアルガール』で映画初出演を果たし、以降多数のドラマや映画で活躍する若手個性派俳優。主な出演作は、映画『かぐや様は告らせたい』『殺さない彼と死なない彼女』『チェリまほ THEMOVIE~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~』、ドラマ『シャーロック』『来世ではちゃんとします』Netflix『FOLLOWERS』など。今後も出演作を多数控えている。
れい
ココカラ学園 インタビュー部
ココカラ学園の生徒「れい」がインタビューをお届けします。図書館で本を読むのが大好きで、今は歴史の本に興味があります。
今回はこんなことを聞いてみたよ
- 自分に合った居場所の見つけ方
- 好きな自分になれる「変身ベルト」って?
れい
はじめまして、ココカラ学園インタビュー部のれいです。本日はよろしくお願いします!
ゆうたろう
はじめまして! ぼくも子どものころ、Yahoo!きっずをよく見ていたよ。今日はよろしくお願いします。
自分に合った居場所の見つけ方
れい
ファッションがステキで、スカートも着こなすゆうたろうさん。ゆうたろうさんは、どんな子どもだったんですか?
ゆうたろう
小学生のころはクラスの中心にいて、男女問わず、誰とでも仲良くするタイプ。誰に対しても思ったことを言うほうで、意見を言い合う道徳や総合の授業が好きだった。
でも中学に入学したら、小学校時代の友だちとは離れ離れになっちゃった。話しかけてくれる子たちもいたけど、男の子のノリみたいなものが自分には合わなくて...。たとえば女の子と話しているとからかわれたりね。まわりに合わせることがしんどくて遅刻が少しずつ増え、学校に行かなくなった。
れい
学校に行っていない時期があったんですね。ゆうたろうさんはすごく明るい印象があるので、少し意外に感じました。
ゆうたろう
中学卒業まではほとんど家で過ごしていたし、人の目線が怖くてマスクをつけないと外出もできないくらいだったんだよ。
れい
ぼくも、学校に居場所がないと感じるときがある...。ゆうたろうさんは学校に行っていなかったとき、どうやって自分の居場所を見つけていったんですか?
ゆうたろう
一番大きかったのは、家族が見守ってくれたこと。母は「自分がそれでいいなら、無理して学校に行かなくてもいい」って言ってくれて、すごく安心した。
SNS(※)を始めてからは、ほかの中学に通っている、学校に行っていない子たちとつながって、自分のことを何でも話せる相手が見つかった。家族が否定せず受け止めてくれたことで、学校に行っていないことも、ファッションやメイクが好きということも、SNSでつながった人に自信を持って伝えることができたんだ。
※SNSの利用には大人の人の許可が必要だよ。れい
家族、そしてSNSの友だちが心の支えになったんですね。
ゆうたろう
顔も名前も知らないけど、何でも話せる友だち。そういう存在が一人いるだけで、ぼくはすごく救われた。学校が世界のすべてじゃないから、学校じゃなくても、自分をさらけ出せる人をどこかで見つけられるといいんじゃないかな。
好きな自分になれる「変身ベルト」って?
れい
ファッションやメイクに興味を持ったきっかけは何だったんですか?
ゆうたろう
姉ですね。姉の影響でファッションに興味を持って、好きな服を地元で買ってSNSにアップしてた。そうしたら、見ず知らずの人がぼくのSNSを見て、「ファッションショーにモデルとして出ないか」と誘ってくれて。
れい
ずっと家にいたのに、いきなりファッションショーのモデルに!?
ゆうたろう
そう。そのとき、姉に初めてメイクをしてもらったんだ。口紅とチーク(※)くらいの、シンプルなメイクだったんだけど、鏡の中の自分を自分だとわかるのに少し時間がかかるくらい、新鮮だった。
※チーク(ほほ紅)...ほほの血色を補ったり、顔に立体感を持たせたりするためのけしょう品。れい
そんなに変化を感じたんですね!
ゆうたろう
メイクでここまで変われるんだ、こんな自分になれるんだったら毎日メイクしたいって思うくらいの変化だったよ。
SNSをきっかけに、自分のファッションセンスをほかの人に認めてもらえたこと。今までマスクを外して外を歩けなかった自分が、メイクをすることで人前に立てたこと。どちらもすごく自信につながったんだ。
れい
その後、大阪の古着店で働き始めて、ショップ店員として注目されてテレビに出るようになり、今につながっているんですよね。ゆうたろうさんにとって、ファッションやメイクはどんな存在ですか?
ゆうたろう
好きな自分になれるアイテム、変身ベルトみたいなもの。今も、自分からファッションとメイクをなくしたら、なんの個性もない無色透明な人間だと思っていて。ゼロの自分にメイクやファッションで色付けしていくことで、強くなれる。そんな風に思うんだ
好きな自分だったら顔を上げて、自信を持って人と話せる。ぼくにとってファッションやメイクは、なくてはならない存在だよ。れいにも、れいだけの好きなこと、れいだけの「変身ベルト」がきっとある。色々なことに挑戦して、見つけてほしい。
れい
前半はありがとうございました! 後半もよろしくお願いします。