教えて、サッコ先生! 〜こころとからだについて・みんなの気になるギモン〜【前半】こころとからだについて学ぶって?
お話を聞いた人
高橋幸子さん
産婦人科医。埼玉医科大学医療人育成支援センター・地域医学推進センター勤務。日本家族計画協会クリニック非常勤医師。「性教育に関わる医師になり、正しい知識を広げたい」という思いから、家庭でできる性教育サイト「
あさひ
ココカラ学園 インタビュー部
ココカラ学園の生徒「あさひ」がインタビューをお届けします。カードゲームで遊ぶことが大好きで、プログラミングにも興味があります。
今回はこんなことを聞いてみたよ
- こころとからだのことを学ぶってどういうこと?
- こころとからだのことを学ぶときに、知っておくとよいことは?
- こころとからだのことを学んでみたい! 何から始めればいい?
- みんなへのメッセージ
あさひ
こんにちは、ココカラ学園インタビュー部のあさひです。今日は「こころ」と「からだ」についてお話を聞かせてください! よろしくお願いします。
サッコ先生
はい! よろしくお願いします。
こころとからだのことを学ぶってどういうこと?
あさひ
「こころ」はともかく、「からだ」について知る、と聞くと少し恥ずかしい気持ちがしてしまいます。こころとからだのことを学ぶってどんなことなのでしょうか?
サッコ先生
からだについて知るということは、からだを大切にする方法を知るということです。例えばどんな栄養をとればよいか、どうやってからだを休めるか、大人になるにつれてからだがどうやって変わっていくのか。
こころも同じ。こころについて知るということは、こころを大切にする方法を知るということです。悲しいときやつらいとき、まわりの人と意見がちがってぶつかってしまったとき......。そんなとき、誰に相談すべきかを決めておくことも、こころを大切にする方法の一つですよ。
ちなみに、普段から何かあったときに相談できる大人を一人ではなく三人思いうかべておくことをオススメします。
あさひ
なぜ三人なのでしょうか?
サッコ先生
「相談できる大人」と聞いて、家族を思いうかべた人もいますよね。でも、思春期になると、おうちの人と意見がぶつかってしまうことがあるかもしれません。そんなときのために、家族のほかにも、外に相談できる大人を見つけておいてほしいからです。
あさひ
なるほど、おうちの人以外にも相談できる人を思いうかべておくことが大事だということですね。
サッコ先生
そうですね。それから、一人だけに相談しても「この人からは思っていたような答えがもらえなかったな」「まだ解決できていないな」と思ってしまうこともあるかもしれません。そんな時もあきらめずに、三人までは相談してほしいなって思います。
大人であっても、みんながこころやからだについてくわしいとは限りません。それでも、三人に声をかけられれば、きっと一人はこころやからだにくわしく、ていねいに話を聞いてくれるのではないかなと思うからです。
あさひ
なるほど、困った時は一人だけではなく、少なくとも三人まではがんばって相談してみます!
サッコ先生
ぜひそうしてください!
そして、こころとからだはすべての人にあります。一人ひとりちがって、その人だけのものです。
こころとからだについて学ぶことで、まずは自分のこころとからだを、そして次にあなたの周りの「大切な誰か」のこころとからだを守れるようになってほしいと思います。
こころとからだのことを学ぶときに、知っておくとよいことは?
あさひ
こころとからだのことを学ぶというのがどんなことか分かりました! では、こころとからだのことを学ぶときに、知っておくとよいことはありますか?
サッコ先生
子どもから大人になるとき、みなさんのからだには大きな変化が起こります。「変化」と聞くと不安な気持ちになる人もいるかもしれませんね。でも、これから経験する変化についてあらかじめ知っていれば、不安な気持ちを減らすことができると思います。
あさひ
あらかじめ知っておくことで不安な気持ちが減るのであれば、ぜひ知っておきたいです!
サッコ先生
一つ心に残っているお話を紹介させてください。先生が高校生のときに、こんなことを教えてくれた学校の先生がいました。
「つらいときには、とことん悩みなさい。悩んで悩んで、悩みつくしたら、ポンっとうき上がることができるんですよ。例えばピンポン玉を水の中に沈めていくと、深く沈んだ時の方がより高くはね上がることができるんですよ。だから安心してとことん悩みなさい。」
こんな考え方を知っておくと、悩みを持つことがちょっとこわくなくなりませんか? 「こころやからだ」についての新しい考え方を知ることで、みなさんがそれぞれ、よりステキに生きていくことができるのではないかな、と思います。
こころとからだのことを学んでみたい! 何から始めればいい?
あさひ
私もこころとからだのことを学んでみたいです! 何歳から、どんなことをはじめられるとよいのでしょうか?
サッコ先生
何歳からでもいいですよ! まずは自分のからだを清潔に保つことから学んでいきましょう。みんなは自分の頭やからだを上手に自分で洗えますか? 清潔に保つということは、大切にする、ということです。
あなたのからだはすべて大切。頭のてっぺんから指の先まで、ピカピカにしましょう!
口・胸・性器・おしりは「プライベートパーツ」といって、からだの内側に直接つながっている、やわらかくてきずつきやすいところです。自分で洗ってきれいにしましょう。
あさひ
からだを清潔にすることは、私でもすぐにはじめられそうです!
サッコ先生
ぜひ今日のお風呂から意識してみてくださいね。また、自分のからだが大切ということは、ほかの人のからだも大切ということ。大切にするということは、どんなときも相手の想いも大切にした行動をとるということです。
手をつなぎたいとき、ハグしたいとき、キスしたいときも、必ずさわっていいかどうか、相手の意見を聞きましょう。それが、相手の想いを大切にするということ。そしてこころを学ぶということなんです。
あさひ
ありがとうございます。相手の意見を聞いて、相手を大切にすること......。これから意識していきたいと思いました。
みんなへのメッセージ
あさひ
前半の最後に、この記事を読んでいるみんなへメッセージをお願いします。
サッコ先生
はい! 性を学ぶということは、人権を学ぶこと。人権とは、その人がその人らしく生きる権利のことを言います。あなたはあなたらしく、のびのびと育つ権利があります。※
※子どもには子どもの権利があります。生きる権利・育つ権利・守られる権利・参加する権利です。くわしく知りたい人は、子どもの権利条約カードブック(外部サイト)も見てみてね。そして、性を学ぶということは、あなたがあなたの人生を自分で選び取る、ということでもあります。その方法をみなさんが知り、自分で選び取ることができる社会にするために、まだまだ私たち大人もがんばっています!
私たち大人は、みんながのびのびと育つことができるよう、応援しています。だから、一緒にたくさんたくさん、学んでいきましょう。
あさひ
ありがとうございました! 後半もよろしくお願いします。