
雪国のごみ処理場でつくるバナーナ!?
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2025/01/17

日本
こんなことがかいてあるよ!
- 雪がたくさん降る新潟(にいがた)県で、バナナをつくっているごみ処理場があるよ。
- しかも、ごみを燃やす時に出る温水をつかっているんだって!
冬の時期、日本海に面する新潟(にいがたけん)県では、多くの雪が降り積もる。時期によっては、日本で一番雪が降ることもあるよ!
そんな雪国である新潟で、「南国のフルーツ」のバナナが育てられているなんて、みんなは信じられるかな!?
バナナをつくっているのは、「シモダ産業株式会社」だよ。この会社、実はもともとバナナをつくる会社ではなくて、ごみを処理する会社なんだ!
シモダ産業株式会は、いつもどんなことをしているの?
シモダ産業株式会社の大きな仕事のひとつが、リサイクルできないごみを燃やすことだ。受け入れているごみのうち、一番多いのは分別しきれないプラスチックだそう。たとえば、お弁当のごみや商品を包むビニールなどが多いみたいだよ。

Photo by 環境と人
ごみは会社の中にある機械で燃やして処理されるんだ。その時に、なんと熱いお湯がたくさんできるんだって!
燃やすのにお湯ができるなんてふしぎだよね。どういうことかというと、ごみを燃やす機械はとても熱くなる。熱くなりすぎると機械が動かなくなってしまうから、常に冷やし続けなければいけないんだ。
そこで、機械を冷やすために水を使うのだけれど、機械があまりに熱いから、その水の温度はすぐに90度近くまで上がってしまうんだとか。だから、ごみを燃やしているときに熱いお湯がたくさんできるんだ。
お湯があるなら、バナナをつくればいいじゃない
たくさんできるお湯をどうしようか。そう考えた時に思いついたのが、バナナを作ることだった!

Photo by 環境と人
ビニールハウスの中にパイプを通して、そこにお湯を流すことで、ビニールハウス全体が暖かくなるんだ。この方法を使えば、真冬でも24度以上が保てるんだって!

Photo by 環境と人
ここでできたバナナは、「越後(えちご)バナーナ」と呼ばれているよ。(「えちご」は新潟の別の言い方だよ。)
栽培されたバナナのお味は?
越後(えちご)バナーナは、味にも自信を持っている。お店でよく見る、海外から輸入されているバナナのほとんどは、緑色のうちにしゅうかくされているんだ。黄色くなってからしゅうかくして日本に送ると、日本に着く前にくさってしまうからね。
だから緑色のうちにしゅうかくされて、日本に来るまでの間に少しずつ黄色くなって、お店で見るような色になるんだ。
でも、しゅうかくされてから黄色くなったバナナよりも、木になっているときに黄色くなったバナナの方が、実は甘いんだって!
新潟でつくったバナナなら、遠い道のりを時間をかけて運ぶ必要がないから、黄色くなってからしゅうかくすることができる。だから越後バナーナは、バナナ本来の甘さ、おいしさを感じられるんだって。

Image via シモダ産業株式会社
おいしい越後バナーナだけど、どんなに工夫してつくっても、食べることができない切り株や、形が整っていなくて出荷が難しいバナナもときにはできてしまう。
でも、食べられない部分は、紙に姿を変えて「越後バナーナ和紙」として売っているよ! また、形が整っていないバナナは、地域のくだものやさんや飲食店にもっていき、おかしにしてもらっているよ。「越後バナーナ」を使ったフルーツサンドやケーキ・ドーナツなどは、すごく人気なんだって!

Image via シモダ産業株式会社
捨てていたものが、発明の種かも!
シモダ産業株式会社はごみを燃やすときにできるお湯を使って、バナナを育てている。これまで捨てていたものを使って、新しいものをつくる、とても良いお手本だ。
みんなの身の回りでも、捨てているけど実は別のことに使えるものがないか、ぜひ探してみてね。越後バナーナみたいな、すごい発明が生まれるかもしれないよ!
情報提供:IDEAS FOR GOOD(ハーチ株式会社)