世界(せかい)スイッチ

食のヒミツを解き明かせ! なぞときレストラン

となりの家に住んでいて、とっても仲良しな、あやちゃんとそうたくん。
ある日、海の近くをさんぽしていたら、ふしぎなレストランを見つけたよ。
ちょっぴりドキドキしながらさっそく行ってみることにしたんだ!

食の問題について、
\いっしょにクイズで学ぼう!/

  • あやちゃん
    あやちゃん

    元気いっぱいで知りたがり屋な女の子。

    なんでもチャレンジするのが大好きで、新しいことを見つけるとすぐに行動するよ!

  • そうたくん
    そうたくん

    クイズが大好きで、いつも新しい発見にワクワクしている男の子。

    最近は学校で習ったSDGsにとても興味があるんだ。

  • フーヤン
    フーヤン

    海の近くにあるふしぎなレストランの店長。

    じまんのお店をお客さんにクイズで楽しく案内しているよ!

2人がレストランに近づいてみると、中から元気な誰かが飛び出してきた!

フーヤン
いらっしゃいませー! ぼくの名前はフーヤン! このレストランの店長さ。はじめて来てくれたきみたちに、ぼくのじまんのレストランを案内するよ! 用意はいいかい!?
ふたり
えええ、なんだかよくわからないけど、おもしろそう! よろしくね、フーヤン!
フーヤン
ではでは、さっそくレストランの中へどうぞ!

カラフルなかべカラフルなかべのヒミツ

レストランに入ってみると、かべにはカラフルなタイルがしきつめられていた。

あやちゃん
このレストラン、カラフルでとってもすてき!
フーヤン
ほんと!? 気に入ってくれてうれしいよ! 実はこのかべはね、ふつうの家のかべとはちょっと違う、あるものからできているんだ。そのあるものっていうのはね…
クイズ!
カラフルなかべは、
何からできているでしょう?
正解だと思うものを
クリック/タップしてね!
正解は③の食べ物のごみ
フーヤン

本当にごみからカラフルなタイルを作っている会社が、日本にあるよ。その名は「fabula(ファーブラ)」。世界でたくさん捨てられている、みかんの皮や白菜、コーヒーのかすなどをかわかして、ぎゅっと固めてタイルを作っているんだ!

この素材は、コンクリートやプラスチックの代わりに使われることが期待されているよ。特に白菜で作ったものは、コンクリートよりも強いんだ! 食べものの色によって色が変わるからカラフルで、ほんのり香りもするんだよ。

Image via fabula
そうたくん
なるほど! だからこんなにカラフルなんだね!
あやちゃん
たしかに、近づいてみるといいにおいがする! 捨ててしまうものを使う、ナイスアイデアだね!

色が暗いメニューなぜか色が暗いメニュー

そうたくん
なんだか、のどがかわいてきたなあ。
フーヤン
それなら、レストランとっておきのジュースを飲んでよ! メニューをどうぞ!

フーヤンが手わたしてくれたメニューは、タブレットでした。

あやちゃん
オレンジジュースにりんごジュース、ぶどうジュースもある! …でもなんか、このメニュー、色が暗くない?
フーヤン
それにはね、とっても大切な理由があるんだ…
クイズ!
このメニュー、
なんで色が暗いんだろう?
正解だと思うものを
クリック/タップしてね!
正解は③の色が見えにくい人のため
フーヤン

世界には、色弱(しきじゃく)と呼ばれる、黄色が見えにくい、赤が見えにくいなど、特定の色が見えにくい人がいるんだ。NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構(きこう)によると、日本では、女性の500人に1人、男性では20人に1人、色弱の人がいるらしいんだ。

そんな中、インドのマクドナルドが実際に「色が暗いメニュー」を作ったんだ。最初は色が暗いんだけど、見えにくい色のタイプのボタンをおすだけで、その色があざやかになる。色弱の人にとっても、カラフルでおいしそうに見えるメニューに変身するんだ!

そこで、ぼくのレストランでもこのアイデアをまねすることにしたのさ。

Image via McDonald's India
あやちゃん
ほんとだ! ボタンをおしたら色があざやかになった!
そうたくん
ここは、みんなにやさしいレストランなんだね。

皮が変身オレンジの皮の大変身

あやちゃん
ところで、私はオレンジジュースが飲みたいな。
そうたくん
ぼくも!
フーヤン
それじゃあ、オレンジをしぼって自分でジュースを作ってごらん!

2人は、オレンジをしぼってジュースを作った。

そうたくん
できた! このオレンジの皮、どこに捨てたらいいかな?
フーヤン
おっと! オレンジの皮は捨てないでね。なぜって、その皮はこれからあるものに大変身するからなんだ…
クイズ!
オレンジの皮は
何に変身するでしょう?
正解だと思うものを
クリック/タップしてね!
正解は全部
フーヤン

トルコのOttan Studio(オッタン・スタジオ)は、キウイやオレンジ、玉ねぎ、ヤシの葉っぱなどから、かびんやテーブルを作っているんだ! 使うのはどれも、食べられないから捨ててしまう部分や、期限が過ぎて食べられなくなってしまった食べ物だ。

また、イタリアのKrill Design(クリル・デザイン)は、オレンジの皮からランプを作っているよ。このランプは、デンプンから作るプラスチックみたいな素材に、かんそうさせて粉にしたオレンジの皮を混ぜて、デジタルデータからものを作れる3D(すりーでぃー)プリンターで作っているよ。自然の素材だけでできているから、庭の土にうめれば時間をかけて分解されていくんだって。

世界中で、捨てられてしまう食べものからいろんなものが作られていることを知って、ぼくも作ってみたんだ! そうしたら、ごみもへって、いろんなものができて、いいことばかりってわけさ!

(左)Image via Ottan Studio (右)Image via Ohmie
そうたくん
これで、テーブルやランプがオレンジ色だったなぞがとけたぞ。
あやちゃん
こんなにいろんなものが作れるのなら、捨てるなんてもったいないね!

ふしぎなストロー?ふしぎなストロー?

ふたり
オレンジジュース、いただきまーす!

ゴクゴクゴク…

あやちゃん
あれ、ちょっとまって。このストロー、いつも使っているストローと違うものからできているみたい! もしかしてこれって…
クイズ!
ストローは、
何でできていた?
正解だと思うものを
クリック/タップしてね!
正解は②のあめ
フーヤン
このストローの名前は、キャンディーストロー! パラチニットという砂糖(さとう)から作ったあめでできていて、食べることができるのでごみが出ない。それに、飲んでいる間に少しずつあめがとけてきて、飲み物にあまさを加えてくれるんだ。日本の「DLINK STRAW(ドリンク・ストロー)」というブランドが開発したよ。色もカラフルで、飲んでいて楽しい気分になるでしょ?このストローを使っているから、ぼくのレストランではストローのごみも出ないんだ!
Image via DLINK STRAW
あやちゃん
たしかに、飲んでるうちにほんのりあまくなってきて、おいしくなってる!
そうたくん
あめも食べられるし、飲んだあとにごみが出ないのって、気持ちがいいね!

野菜が育つ場所野菜が育つ、
意外な場所!?

フーヤン
さあさあ、せっかくきてくれたからには、今日はぼくレストランのヒミツを、ぜーんぶ見せちゃうよ! ついてきてくれるかな?
ふたり
もちろん!
フーヤン
それなら、まずはサラダやスープを作る野菜を一緒(いっしょ)にとりに行こう! 野菜が育っているのは意外な場所だよ…。
クイズ!
野菜が育っている
意外な場所とは?
正解だと思うものを
クリック/タップしてね!
正解は①の海
フーヤン

これからどんどん人口(人の数)が増えると、陸地で野菜を作り続けることが難しくなるかもしれないんだ。だから、日本の「N-ARK(ナーク)」という会社は、海にうかぶ農園を作ろうとしているんだ。その名も、「グリーンオーシャン」!

グリーンオーシャンでは、海の上で野菜や果物を育てる。そして、海の中の環境を良くするために土を良くしながら、海の下では魚や貝などを育てる養殖(ようしょく)もやってみようとしているんだ。

このレストランは海の近くだから、ぼくも作ってみたくて、 作り方を教えてもらったのさ。

Image via Green Ocean
そうたくん
こんな農園、初めて見たよ!
あやちゃん
トマトもきゅうりも、たくさんとれたね!
意外な場所にある
牧場の記事を読む

野菜の下で育つ何か野菜の下で育つ何か

フーヤン
さーて! 今度は、レストランの屋上に、あるものをとりに行くよ!
ふたり
え、屋上へ!?

3人が屋上に向かうと、そこにあったのはたくさんの植物!

そうたくん
なーんだ、また野菜かあ。 野菜はさっきたくさんとったから、もういいよお…
フーヤン
ふふふ…そう思うでしょ? でも、これから2人にとってほしいのは、野菜の下で育てている、あるものなんだ。
あやちゃん
ええ、野菜の下で何かを育てているの!?
クイズ!
野菜の下で育てて
いるのはなんだろう?
正解だと思うものを
クリック/タップしてね!
正解は②の魚
フーヤン

こんなふうに、植物と魚を一緒に育てることを、「アクアポニックス」と言うんだ。最近は日本でも行われているよ。アクアポニックスでは、植物が魚のうんちを栄養(えいよう)にして、ぐんぐん育つ。どうじに、植物の根っこは水をきれいにする力があるから、魚も気持ちよく暮らせるんだ。

レストランの屋上で育てれば、トラックで運ぶときに出るCO2も減らせるから、環境にとってもいいんだ!

Image via 株式会社アクポニ
そうたくん
いつもトイレに流しているけど、うんちって意外と役に立つんだね!
あやちゃん
たしかに。ごみだと思っていたものにも、役目があるんだね。
フーヤン
そうなんだよ! いいところに気づいたね。じゃあ、魚を食べたい分だけとってみよう!

ひみつの研究所レストランの研究所で
育てていたのは…?

そうたくん
さーて! 野菜も魚もたくさんとれたし、さっそく食べようよ! もうおなかぺこぺこだ。
フーヤン
おっと最後に、レストランの中で育てている、ぼくの大好きな食べものを取りにいかなきゃね…

3人は地下に続く階段を降りた。するとそこには研究所があり、白衣を着たふしぎな人が容器をのぞき込んでいる…

フーヤン
彼は研究者だよ! ここで、約1,500種類もある、ある食べ物を育てているんだ。
クイズ!
研究者が育てていたのは、
どんな食べ物?
正解だと思うものを
クリック/タップしてね!
正解は②の海藻(かいそう)
フーヤン

日本で行われた調査によると、日本の海岸には、なんと、約1,500種類の海藻があるんだ! でも最近は、海の水がよごれたり、温度が高くなってしまったりすることで、だんだんと海藻の量が少なくなったり、なくなったりしてしまっている。すると、海藻をすみかにする魚や、海藻を食べる貝なども減ってしまうんだ。

そこで日本の「シーベジタブル」という会社は、貴重な海藻を海から取ってきて調べながら、研究所で海藻の赤ちゃんを増やしてから、陸の上や海の中で海藻を大きく育てている。育てた海藻はどれも食べることができるんだ!

そして、海藻を食べる人が増えるように、新しい食べ方をみんなに広めているんだ! 海藻というとのりやわかめを思い浮かべるかもしれないけど、カレーやチョコレートケーキにも使えちゃうんだって!

Image via Sea vegetable Circulation
あやちゃん
日本の海の中に、そんなにたくさんの種類の海藻があったなんて、知らなかったなあ。
そうたくん
しかも、いろんな食べ方ができるんだね!
フーヤン
そうでしょ?だからぼく海藻が大好きなんだ。さて、食べたい海藻をビーカーから選んでみよう! そうしたら、2人が選んだ海藻が育ったものを、研究者が持ってきてくれるよ。
フーヤン
2人とも、お待たせ! さあ、ぼくと2人が一緒にあつめた食材をたくさん使った料理だよ! おなかいっぱい食べてね〜!
ふたり
わーい! おいしそう〜!

ふしぎなカップ ココアが入った
ふしぎなカップ

2人はフーヤンが作ってくれたたくさんの料理を、きれいにたいらげた。

ふたり
おなかいっぱい! どの料理も、とってもおいしかったなあ。
フーヤン
おいしかったって言ってもらえて本当にうれしいよ! それじゃあ、最後にぼくから2人におみやげのココアをあげよう。
あやちゃん
わー! うれしいなあ。ありがとう! …って、え? このココアが入ってるのって…!?
クイズ!
フーヤンがくれたココアは、
何に入っていた?
正解だと思うものを
クリック/タップしてね!
正解は①のクッキー
フーヤン

このクッキーでできたカップは、ニュージーランドの「twiice(トゥウィス)」という会社が作った、食べられるごみが出ないカップをまねして作っているよ!

ニュージーランドの飛行機では、このカップに入れられたコーヒーがお客さんにくばられたんだって。クッキーのカップは、飲み物を飲む間はふにゃふにゃにならないように作られているから、中の飲み物がもれる心配もないよ。そして味もおいしいんだ! この会社では、チョコレート味のカップも開発中だよ。

Image via twiice
あやちゃん
いつも紙コップをどこに捨てようかなってなやむから、これはいいアイデアだね。
そうたくん
それに、飲むだけじゃなくて、デザートにもなるなんて、一石二鳥(いっせきにちょう)だよね! 甘くておいしい!
あやちゃん
フーヤン、今日はとっても楽しかった! ありがとう!
フーヤン

ぼくもとっても楽しかったよ!

今日みんなで見て回ったレストランのヒミツはね、ぼくが世界を旅しながら出会ったアイデアたちなんだ。

食べることは毎日していることだけれど、その後ろにはまだ知らないいろんなアイデアがあると思うと、ぼくはわくわくが止まらないんだ。

次に2人がきてくれる時には、きっとまた新しいアイデアでレストランがパワーアップしてるから、楽しみにしててね。

そうたくん
ぼくも食べ物のことがすごく気になってきちゃった! 今度は家族や先生と一緒にくるよ! またねフーヤン!

情報提供:IDEAS FOR GOOD(ハーチ株式会社)