エイジズムってなに？

エイジズムってなに？

エイジズムっていうのは、人を年齢だけで判断したり、差別したりすること。

例えば、「いい年してこんな服を着るなんて」とか「～するにはまだ10年早い」と決めつけたりするのは、エイジズムの1つといえるんだ。

多くの場合、お年寄りのことを判断したり差別したりすることを言うのだけど、もっと広い意味には、子どもや若い人の生き方や能力（のうりょく）を、年齢によって決めつけることも含まれるよ！

エイジズムは、他の人の行動を制限（せいげん）するだけじゃなくて、自分のことも生きづらくしていることがあるんだ。

エイジズムって、何が問題なの？

本当なら、年齢は自分を説明する1つの要素なだけで、右利きだとか、日本人だとか、カレーが好きだということと同じはず。

だけど、年齢だけが特別なものとして見られて、人をいやな気持ちにさせるんだ。

例えば、「お年寄りには席をゆずりましょう」という考え方があるよね。年をとれば、ほとんどの人はからだの力が弱くなっていくもの。だから、若い人に比べたら、お年寄りに席をゆずった方がいいかもしれないね。

でも、中には年を取っていても元気な人もいるし、もしかしたら健康のために立っていたい人もいるかもしれない。

そう考えると、足をけがしている人や小さな子どもをつれている人など、年齢に関係なく席をゆずることが、本当に必要なことなのかもしれないね。

年を取ることは、誰にでも起こるとても自然なことだよね。これからますます、寿命（じゅみょう）がのびていく社会になりそうだし、年をとった人が多くなるのもさけられない。

誰もがそういった中で生きていくことを考えると、エイジズムによっていやな思いをするのは、年をとった人だけじゃなくて、未来の自分でもあるんだね。

世界では、どんなエイジズム対策がされているの？

例えば、ヨーロッパでは、具体的な対策として、働く人を募集（ぼしゅう）する時に、その人の生年月日や年齢を聞かないことが多くなっているんだとか。

アメリカでも、法律によって40才以上の人に対して、年齢差別がきびしく制限されているよ。だから、仕事をしようと思ったときに、年齢を伝えたり顔写真をはったりしなくても良いことが多いんだって。

エイジズムをなくしていくには、何よりもいろんな世代の人たちが、一緒（いっしょ）になって考えたりすることで、自分の年齢では感じることのできない感覚を、共有し合うことが大切だよ。

それに、いろんな世代が学校の中で関わり合うことも大事かもしれないし、そういったことができるように、ルールを見直していく必要もある！

エイジズムのない世界ってどんな世界？

年を取りたくない。年を取ることはいやなことだ。そう考えてしまうのは、エイジズムのせいだという人もいる。

人種や、性別、そして年齢による差別など、いくつもの差別がなくなった先には、人をそうしたグループではなくて、「その人」として考えられる世界があるのかもしれないね。

何歳になっても自分にしかない個性を大切にしながら生きていける社会に、少しずつ変えていけるといいね！