ひなまつりやお誕生日会など、ちょっとしたイベントのときに大かつやくの、ちらしずし。色どりゆたかで、はなやかなちらしずしが大好きな人も多いんじゃないかな。さて、あなたにとっての「ちらしずし」って、どんなもの?
ちらしずしには二種類あります。
ひとつは、器(うつわ)に酢飯(すめし)を入れて、その上にすしの具をならべたものです。酢飯の上の具をにぎって仕上げた「にぎりずし」に対して、酢飯の上に具を散らしているから「ちらしずし」と言われています。
一緒にしょうゆを入れる小皿が出てきて、具は小皿のしょうゆをつけて食べます。具はにぎり寿司で使う物がそのまま使われることが多く、魚介類(ぎょかいるい)ではマグロ、ホタテ、サケ、イカ、エビ、タコ、イクラ、ウニなど、加えて、玉子やきやガリや大葉(青じそ)がそえられています。
にぎりずしを出すお店で「ちらしずし」あるいは「ちらし」と言うと、このタイプのおすしを指すことがほとんどです。このちらしずしに良く似ている料理があります。それは「海鮮丼(かいせんどん)」です。ちがいは、ごはんが酢飯ではなくてふつうのご飯なのです。
もうひとつのちらしずしは、酢飯の上に、干ししいたけやかんぴょう、ニンジン、酢れんこん、凍(し)み豆腐(どうふ)、ゆでたタコやエビ、焼穴子などをちらしたり混ぜ込んで、この上にさらにゆでた絹さやや錦糸(きんし)玉子や刻み海苔(のり)、ガリ、イクラなどをちらして仕上げたものです。ちらしずしと呼ばれる一方で「五目ちらし」「ばらちらし」「ばらずし」などと呼ばれることもあります。ひな祭りのお祝いに、季節の菜の花やタケノコを加えたりして、ハマグリのお吸い物と一緒に食べられることもあります。
あなたが思い浮かべた「ちらしずし」はどちらでしたか? うっかりまちがえないようにするためには、ちらしずしと「五目ちらし」「ばらずし」「ばらちらし」という名前をきちんと使い分けることですね。