レーサーほど「プロ」の定義が難しい職業もない。たとえば最高峰F1のドライバーといえばもちろんプロということになる。年俸30億円を超えるシューマッハを筆頭に、高額の報酬を得るドライバーも多い。ところが一方には自ら数億円をかき集めてそれをチームに払い、F1のシートを確保するケースも珍しくない。ほかのスポーツに比べて複雑なのは、巨額のスポンサーマネーがすべて、というようなところがあるからだ。スポンサーはチームにつくこともあれば、レーサー個人につくこともある。事情は国内のレースでもそう変わらない。アマチュアで下位のカテゴリーのレースに出ていても、活躍して脚光を浴びれば、大きなチームから声がかかったり、スポンサーがつく可能性が出てくる。国内でもっとも上位のカテゴリー(現在はフォーミュラ・ニッポン)になると、出場するレーサーの大半は、レース中心の生活をしているという意味ではプロ、ということになる。もっとも最近では10代のカートのレースで才能を認められ、ある種のエリート教育を受けて海外でデビューするなどのケースも出始めた。単なるスピード狂がレーサーを目指せる時代ではなくなりつつある。プロとそうでない者を隔てる資格制度は特にないが、出場するレースのカテゴリーによって、JAFが発行するライセンスが必要になる。
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情報提供元: 13歳のハローワーク 公式サイト (外部サイト)