酸性雨の原因やどんな被害があるのか、調べてみよう!
地球をむしばむ酸性雨
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Photo by アフロ
工場から出るけむりや自動車の排気ガスなどにふくまれているイオウ酸化物(さんかぶつ)やちっ素(そ)酸化物などの物質が化学変化を起こして雨や雪にとけこむと、酸性度の高い雨になります。つまり、産業の発展や都市化などによって発生する大気汚染(おせん)が酸性雨をもたらしているのです。酸性雨が降ると、土が酸性化して木や植物がかれたり、湖や沼(ぬま)に住む魚たちの環境を悪化させるといったえいきょうがあります。
遠くから運ばれる汚染物質
酸性雨の特ちょうは、原因となる物質が発生しているところから数千キロメートルもはなれたところに運ばれ、広いはん囲で被害をもたらすことです。最近では中国で発生したPM2.5(ピーエムニーテンゴ)と呼ばれる大気汚染物質が日本にも運ばれ、酸性雨をもたらすという現象もおきています。
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衛星センサーで測定された東アジアにおける二酸化ちっ素の濃度分布。上は1996年1月、下は2002年1月の平均濃度。(出典:海洋研究開発機構2005)
東アジアで増えるちっ素酸化物
衛星写真から計算したデータによると、日本をふくむ東日本は、ちっ素酸化物のえいきょうを強く受けている場所だということがわかります。中国をはじめとする東アジアの国々のエネルギー消費の増加は、さらに深刻な大気汚染と、それにともなう酸性雨の原因となることが予想されています。
歴史的建造物へのえいきょう
アテネのパルテノン宮殿(しんでん)やデンマークの人魚像なども酸性雨でとけ始めています。
Photo by 杨志强Zhiqiang [CC-BY-SA-3.0], via Wikimedia Commons
健康被がいをもたらす酸性雨
ちっ素酸化物やイオウ酸化物は、人間の気管支やのどを痛めるなど健康被がいをもたらす有害物質です。
Photo by アフロ
ちっ素酸化物って?
ちっ素酸化物とは、石油などが高い温度で燃えたときに、燃料や空気の中のちっ素(N)が酸素(O)と結びついてできる物質です。
GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート
自動車も酸性雨の原因に
大きな都市では、空気中のチッ素酸化物の約半分は自動車から出ているといわれています。
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