人も動物も空気がきれいでないと生きていけないから、大気汚染は深刻な問題。また、代表的な大気汚染について調べてみよう。
大気汚染ってなんだろう
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Photo by アフロ
「大気汚染(おせん)」とは空気がよごれることです。空気を吸って生きている人間や動物にとって、きれいな空気は大事なものです。空気をよごすおもな原因は、車の排気ガスや工場のけむりから出る汚染物質です。山火事など自然の原因もありますが、大部分は人間の活動によって作り出されています。汚染物質は、ガス、液体、粒子(りゅうし)状物質(細かいつぶ)などで、ヒトの健康に害があるほか、温暖化、酸性雨、光化学スモッグなど地球環境を悪くする原因にもなっています。
光化学スモッグ
風のない暑い日に「もや」がかかったように、空がぼんやりして、目がチカチカしたり、のどが痛くなることがあります。これが光化学スモッグです。車や工場からの排気から出る有害物質が太陽のし外線に反応して、「光化学オキシダント」という物質ができることが原因です。日本では1970年に、運動をしていた高校生が、目やのどが痛くなったり、息ができなくなったり、ひどいときにはたおれたりして、大きな問題になりました。その後、光化学スモッグは減っていましたが、最近また増えているといいます。光化学スモッグ注意報が出たら、外での運動はやめて、部屋の中に入りましょう。赤ちゃんやお年寄り、体の弱い人は、特に注意が必要です。
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大きさはなんと髪の毛の太さの30分の1! 出典:東京都ホームページ
PM2.5ってなんだろう
大気中には、さまざまな汚染物質がうかんでいます。このうち、直径が2.5マイクロメートル(2.5ミリの1000分の1)以下の小さな粒子をPM2.5(ピーエムニーテンゴ)と呼んでいます。とても小さくて、髪の毛の太さの30分の1しかありません。PM2.5は小さくて目に見えないので、取り除くことが難しいです。吸いこむと肺のおくにまで入ってしまい、鼻、気管、肺などの病気を引き起こすことがあります。2013年ごろから、中国では広い地域で大気汚染が発生するようになり、日本でも環境基準をこえる濃度のPM2.5が観測されるようになりました。
PM2.5の対策
日本国内では、PM2.5をきちんと観測し、予測情報を公開するなどの対策をとっています。
環境省(外部サイト)のホームページでは、PM2.5以外にも、さまざまな大気汚染物質の数値を見ることができます。また2013年からは、日本・中国・韓国の3か国で、大気汚染を減らすために協力し合うことになりました。政府の代表や研究者が集まって、情報を交かんし、対策を話し合っています。
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中国の大気汚染
急激に経済が成長した中国では、北京市やその周りの地域を中心に、大気汚染が深刻な問題になっています。おもな原因の一つ目は、自動車の排気ガスです。中国では、この10年で自動車の数が6倍に増えており、今後もまだ増え続ける見込みです。原因の二つ目は、石炭を燃やしたときに出る汚染物質です。石炭の値段が安いので、火力発電所のような大きな施設(しせつ)から家の暖ぼうまで、多くの石炭が使われています。しかし排気をきれいにする設備は、動かす費用が高いので、日本ほど使われていません。政府は規制を厳しくしていますが、大気汚染が原因で病気になる人が増えており、特に、子どもやお年寄りに多く被害が出ています。
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