「ピザ」とひとくちに言っても、いろいろなものがあるよね。起源(きげん)はどんなものだったのかな?
小麦粉に水や塩やイーストなどを加えて、うすくのばした生地に、トマトソースを塗(ぬ)ったり具をのせてオーブンやかまどでカリッと焼いたピザ。イタリアで250年ほど前に生まれた料理です。
ピザが生まれたと言われるのはイタリアのナポリという町で、ここのピザは「ナポリピッツァ」と呼ばれています。作り方もとても細かく決めごとがあります。材料は小麦粉、酵母(こうぼ)、塩、水の4つのみ。こねるのは手だけ。かまどは薪(たきぎ)か木くずを使う。大きさは35cm以下の円形でふっくらとして中心の厚さは約4mm、ふちは1〜2cmのふくらみがあること。味は程よい濃度(のうど)を残したトマトの酸味(さんみ)、そしてひかえめなオレガノ、ニンニク、バジリコ、火の通ったモッツァレッラチーズ、それぞれの風味が良く混じり合っていなくてはなりません。
イタリアで生まれたピザを広めたのはアメリカです。イタリアよりもサイズが大きめで地域(ちいき)ごとにさまざまなピザがあります。たとえばニューヨーク風ピザはうすくてカリカリです。一方で厚(あつ)いパンの真ん中をくりぬいてチーズや具材をたっぷり入れたピザはシカゴ風ピザとよばれています。またアメリカで冷凍(れいとう)ピザや宅配(たくはい)ピザが広まりました。
日本にはイタリアとアメリカの両方からピザが伝わってきましたが、冷凍ピザや宅配ピザを通してアメリカのピザが広まり、その後にイタリア料理ブームでイタリアのピザが知られるようになりました。
なお、イタリアでもアメリカでも「ピザ」とは言わず「ピッツァ」と言います。日本人が言いやすいように呼び変えたのだそうですよ。