世界(せかい)スイッチ

修理する権利ってなに?

いいね

715

2025/04/30

こんなことがかいてあるよ!

  • 「修理する権利」っていうのは、スマートフォンやパソコンがこわれたとき、みんながもっと簡単に修理をできるようにするための運動なんだ。
  • 電気を使う商品のごみがどんどん増えていることもあって、いろんな国や会社が修理する権利を広めるための活動をしているんだ!

「修理する権利」ってなに?

「修理する権利」っていうのは、パソコンやスマートフォン、車などを、持っている人がもっと簡単に自分で直せるようにするための権利のことなんだ。

みんなは、スマートフォンやパソコンがこわれたとき、「自分でなおせたらいいのにな」って思ったことはないかな?

でも、今の社会では、作った会社が用意した特別なお店に持っていかないと修理できなかったり、もう部品がないから修理できないよって言われたりすることが多いんだ。

そんな中、「自分でも修理できるようにするべきだ!」ってみんなが言い始めたことで、「修理する権利」が生まれたんだ。

最近では、「修理する権利」を大事にしよう、という動きが世界中で広がっているんだ!

Image via Shutterstock

Image via Shutterstock

どうして「修理する権利」が必要になったの?

でも、よく考えてみたら、「みんなが持っているものをみんなが修理できるようにする」って、すごく当たり前のことのように聞こえるよね。じゃあ、どうして今の社会ではそれが難しいんだろう...?

昔、テレビや冷蔵庫が広まった1950年代ごろは、家電はシンプルに作られていて、今よりも直しやすかったんだ。

それに、修理の方法も公開されていたから、自分で直したり、近所の修理屋さんに持っていったりして簡単に直すことができたんだ。

Image via Shutterstock

Image via Shutterstock

だけど、1990年代くらいから、パソコンやスマートフォンがどんどん高性能になって、専用の道具やソフトがないと修理できなくなっていったんだ。

それに、パソコンやスマートフォンを作っている会社が、自分たちの商品を他の会社にまねされないように、「これは会社の秘密だよ」と言って、修理するための情報を教えないことも増えたんだよ。

さらに、そうした会社は「新しい製品を買ってもらったほうがもうかる」って考えるようになって、わざと商品をこわれやすいように作ったり、すぐに古く感じさせる工夫をしたりすることも増えたんだ。

それで、「修理するより新しいものを買ったほうが安いよね」という考えが広がってしまったんだ。

そうやってみんながすぐに新しいものを作ったり、買ったり、捨てたりした結果、電気を使うもののごみはどんどん増えて、地球をよごしてしまっているんだ...。

Image via Shutterstock

Image via Shutterstock

世界ではどうやって「修理する権利」を広めているの?

これを解決するために生まれたのが、修理する権利ってわけだね!

じゃあ、修理する権利は、どこで、どうやって広まっているんだろう?

まず、修理する権利を広めるための一番大きな力になるのは、国や地域で法律を決めることなんだ。

たとえば、アメリカでは2012年にマサチューセッツ州という場所で「車を直す権利」を認める法律ができたんだ。これがきっかけで、パソコンやスマートフォンにも「修理する権利」を広げよう、という運動が始まったんだよ。

2022年にはニューヨーク州で、たくさんの電子機器に対して「修理する権利」を認める法律が作られた。この法律では、修理に必要な部品や説明書をだれでも使えるように用意することが、会社の義務になったんだ。

これによって、みんなが知っているかもしれないグーグルやアップルのような大きな会社も、前よりも修理がしやすい商品を作ったり、修理するための部品を売るインターネット上のお店を開いたりし始めたんだ。

Image via Shutterstock

Image via Shutterstock

EU(ヨーロッパの国々が集まった組織)では、2020年に決められた「循環型経済行動計画(じゅんかんけいざいこうどうけいかく)」というルールの中で、電気を使う商品はこわれにくく直しやすく作ることや、修理するための情報をみんなに知らせることが大事だとされたんだ。

さらに、2023年には、スマートフォンなどのバッテリーを自分で取り外してこうかんできるようにするルールもできたし、2024年には、「修理する権利指令」という新しいルールも発表されて、EU全体でもっと修理をしやすい社会を作っていくことになったんだよ。

ほかにも、フランスでは、電気を使う商品に「修理のしやすさ」を表すラベルをつけることが2021年から決まったんだ!

テレビやスマートフォンなどに、「この製品はどのくらい修理しやすいか」を0から10点で表しているんだよ。

点数が高くて修理しやすい商品は、どんどん売れているんだって!

出典:The French #RepairIndex: challenges and opportunities!

出典:The French #RepairIndex: challenges and opportunities!

法律で決めると聞くと難しそうだけど、みんなみたいな町の人たちが、力を合わせて修理する権利を広めようとする運動もあるんだ!

たとえば、オランダでは、「リペアカフェ」という取り組みが広がっているんだよ。これは、こわれたものを持ってきて、ボランティアの人といっしょに自分で直す場所なんだ。

この場所は、みんなでわいわいお話ししながら修理をしていて、とっても楽しそう! 修理をきっかけにお友達ができることもあるんだって。

こうした活動が、修理の大切さを広める力になっているんだ。

Image via IDEAS FOR GOOD

Image via IDEAS FOR GOOD

みんなにできることは?

日本ではまだ「修理する権利」に関する法律はあまり進んでいないんだ。

でも、みんなにもできることがあるよ!

たとえば、こわれたものをすぐに捨てずに、「直せるかな?」と考えてみよう。修理屋さんを探して、直せるかどうか聞いてみるのもいいね。

あとは、製品を買うときに、「修理しやすいものはどれですか?」とお店の人に聞いてみるのもいいかもしれないね。そうすることで、お店の人たちも、修理しやすいものをたくさん作った方がいいんだなって気づくきっかけになるかもしれないんだ!

物を直して長く使うことは、ごみを減らして、地球を守ることにもつながるんだよ。

みんなで「修理する権利」を広めて、物を大切にする未来を作っていこうね!

情報提供:IDEAS FOR GOOD(ハーチ株式会社)

感想を書いてみよう!

新しい記事