日本を代表する工業といえば自動車工業。自動車づくりにかかわる人びとや、製造工程について勉強しよう。
自動車工場では、大きな建物の中で自動車を組み立てる作業が行われています。
エンジンやタイヤ、ドアなど、数えきれないほど多くの部品を組み合わせて、ひとつの車を完成させるんです。
最近では、工場の生産ラインが自動化され、ロボットや機械の力を使って、効率よく大量に生産することができるようになっています。
部品の調達
車の部品はすべて自動車工場で作っているわけではなく、多くの部品メーカーがそれぞれ専門的に作ったものを工場へ運びます。
エンジン部品やシート、ライトなど、さまざまな工場から集めてきて、組み立てラインにそろえるんです。
組み立てライン
工場の中には「ライン」と呼ばれるベルトコンベヤーが設置されていて、車の骨組み(ボディ)を移動させながら、次々と部品を取りつけていきます。
人の手で行う作業もあれば、ロボットが自動でネジをしめたり、溶接をしたりする工程もあります。
検査と仕上げ
組み立てが終わった車は、最後にしっかりと検査を受けます。
エンジンが正常に動くか、電気系統に問題はないか、何百もの項目をチェックして合格した車だけが出荷されます。
ライン生産方式
一台の車が少しずつ移動していく間に、作業員やロボットが順番に部品をつけていく方式。時間を短縮し、多くの車を短時間で作ることができる。
ジャストインタイム
必要な部品を必要なときに、必要な量だけ工場に届ける工夫。部品を必要以上にためこまないで済むので、コストやスペースを節約できる。
ロボットやAIの活用
人間では大変な重い作業をロボットが担当したり、品質検査にAIが使われたりして、ミスを減らしながらスピードを上げる技術が進んでいる。
日本の自動車メーカーは国内だけでなく海外にも工場をもっていることが多いです。
現地で組み立てることで、現地の人びとにとって働く場所が増えたり、現地の市場に合わせた車を作りやすくなったりします。
また、日本で作った車を輸出して、海外に届けることもあります。そうして世界中の人が日本ブランドの車を利用できるようになるんです。
自動車工場の工業生産は、たくさんの部品を集め、効率的なライン生産方式などの工夫で、一台一台ていねいに車を仕上げる仕事です。
ロボットやAIを使った自動化が進みつつも、人の手でチェックや繊細な作業を行う部分もあり、多くの人が関わっています。
こうした大量生産や部品調達の工夫により、私たちはいろいろな種類の車を選んで利用できるようになっています。自動車産業は日本だけでなく、世界へとつながる大きな仕事なんですね。
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