最近よく聞く「バリアフリー」ということば。いったいどんな意味で、どのように使われているのでしょう。
バリアフリーってどういう意味?
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「バリア」とは、じゃまをするものという意味、「フリー」は、そのようなじゃまなものがないという意味です。漢字におきかえると「障壁除去(しょうへきじょきょ)」となります。
たとえば、車いすを使っている人にとっては、段差や階段があるとそこから先に自分の力だけで進むことはできません。そこにスロープやエレベーターがあれば車いすのまま進むことができます。
お年寄りあるいは目や耳に障害のある方が、小さな文字を読んだり小さな音声を聞くのは大変です。その場合には、大きな文字で表示したり、音声の調節ができるようになっていたりすれば困らなくなります。
また、メガネや補聴器などの道具が用意されているのもバリアフリーのひとつですね。
このように、どうなっていたら困らないかな? 便利になるかな? と考えて、設備や環境をととのえたり道具を使ったりして「バリア」を取り除くことが「バリアフリー」なのです。
最近、バリアフリーがすすんでいるものに、建物や乗り物があります。建物や乗り物をバリアフリーにするためのきまりには、どのようなものがあるのでしょうか。
ショッピングセンターや公民館、イベントホールなどは、いろいろな人が使うので、身体に障害のある人やお年寄りなどが使いやすいように気をつけなければなりません。
日本では、1970年ころから「福祉のまちづくり」を目指す行動が進められました。その結果、歩道と車道の境をスロープにしたり、歩道などに点字ブロックがしかれたりするようになりました。しかし、せっかくの点字ブロックやスロープも、それらをふさぐように自転車が置かれてしまって役に立たなくなっていることがあります。バリアフリーは、設備をととのえるばかりではなく、わたしたちの心の中にも大切にしていく気持ちがなければ実現しないのですね。
さらに1994年には、「ハートビル法」(正式名称は「高れい者、身体障害者がえんかつに利用できる特定建築物の建築の促進[そくしん]に関する法律」)が定められました。この法律では、都道府県や市町村が建てた建物ばかりではなく、ショッピングセンターや劇場などのたくさんの人が利用する建物の出入口、ろうか、トイレなどをバリアフリーにすることを定めています。
また、乗り物をバリアフリーにするための法律が2000年に定められています。「交通バリアフリー法」(正式名は「高れい者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動のえんかつ化の促進に関する法律」)では、多くの人が利用する駅のしせつや車両などをバリアフリーにすることを定めています。
たとえば、電車の出入口には、車内放送が聞こえない人のために駅名などを表示する装置があり、目が不自由な人が今どこに乗っているのかがわかるように点字シールで号車番号などを表示しています。また、ホームの端(はじ)や階段の手前には、目が不自由な人のための点字ブロックがしかれています。
新たに導入されるバスは、地面からゆかまでの高さが30センチ〜60センチの「ノンステップバス」や「ワンステップバス」がほとんどです。また、車内放送にあわせて文字でバス停の名前が表示される装置も付けられています。
新しい車両やしせつには、さまざまなバリアフリーのための工夫がされています。バスや電車に乗るときに、ちょっと注意して観察してみましょう。
体格や体力に関係なく、だれでも楽しめるボウリング。
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