目が見えないこととはどういうことか、考えてみたことはありますか? 目の不自由な方の日常の暮らしをぎじ体験することで、どんな不便があって、どんな助けが必要か、想像してみましょう。夏休みに日本盲導犬協会の神奈川訓練センターで行われた「こども体験デイ」。参加した小学生の健太くんのレポートを紹介します。
通路には工事の時に置く三角ポストやバーなどでさまざまな障害のある歩行コースが作られていました。
ここではアイマスクで目かくしをし、スタッフの人といっしょに段差や障害物のある80メートルほどのコースを歩きます。
健太くんは、手引きの人の腕につかまって歩き始めました。アイマスクをすると世界はまっ暗になります。歩きだしてすぐ「怖い」と声がもれました。目が見えている時と比べて、足の進みも遅くなります。最初の20メートルほどの直線は障害物をよけて歩きます。スタッフの人は口で方向を説明しながら健太くんをみちびいてくれました。健太くんもゆっくり足を進めます。
コーナーを曲がると障害物はなくなりますが、床にはところどころマットがしいてあります。これはトイレやお風呂場の入口にしいてありました。
スタッフの人が、立ち止まって健太くんに説明します。ふんでみてザラザラしているのが男性用、ふかふかしているのが女性用の入口なのです。健太くんも確かめるようにふんでみます。足ではっきりとその感じを確かめることができるようです。
どちらがお茶? どちらがビール?
次にスタッフの人が、お茶とビールの缶を取り出しました。
「どっちがお茶ですか?」
健太くんはしばらく缶の上のほうをさわり、「こっちがお茶!」と片方の缶をスタッフの人に差し出しました。しかしアイマスクを取ってみると、健太くんの選んだほうはビールでした。
どこで判断したのと聞かれた健太くん、プルタブの形にヒントがあるのだと考え、カンで答えたようです。しかしハズレでした。正しい見分け方は、缶の上の点字で清涼飲料水とビールを見分けるのです。健太くんは初めて知りました。