2020年東京大会そして世界に向けて、それぞれの地元から羽ばたくアスリートを紹介する連載企画「未来に輝け! ニッポンのアスリートたち」。第40回は東京都出身、パラカヌーの瀬立モニカ(せりゅう・もにか)を紹介する。
母・キヌ子さん(写真右)と。瀬立は子どものころから活発だったという【写真は共同】
1997年、東京都江東区で生まれた。「女の子とおままごとをするよりは、男の子と外でボール遊びをするのが好きな活発な子どもでした」(母のキヌ子さん)。体を動かすことが好きで、とくに3歳から始めた水泳は地域の大会で優勝の常連になる腕前。オリンピック出場を夢見た少女と母は、お風呂の中で母とよくこんなインタビューの練習をしていたという。「モニカ選手、メダルの喜びを誰に伝えたいですか」「お母さんに伝えたいです」。
母は看護師として働くシングルマザー。多忙ながら子ども会の役員を引き受けるなど積極的に地域に関わり、周囲と助け合いながら、瀬立に愛情を欠かさなかった。
スポーツばかりではない。「スポーツは頭を使うから」と母は娘に文武両道を約束させ、さらには目標設定の重要性も小学生のころから説いていたそうだ。
中学に入学すると、瀬立はバスケットボール部と、地元の中学生が集まる江東区カヌー部に入部。高校は区外の私立高校に通い、カヌーで東京国体を目指したが、高校1年の夏、人生を一変させる出来事が起こる。体育の授業中に倒立前転をした際の事故で、両下肢にまひが残ったのだ。(2019年6月19日掲載記事)