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Yahoo!きっず 東京2020 オリンピック・パラリンピック特集

"福沢諭吉チック"なFW安藤瑞季 C大阪期待のルーキーが持つ反骨心(4)

 2020年東京五輪そして世界に向けて、それぞれの地元から羽ばたくアスリートを紹介する連載企画「未来に輝け!ニッポンのアスリートたち」。第14回は大分出身、サッカーの安藤瑞季(セレッソ大阪)を紹介する。

最後は強烈な親離れを経験して旅立つ

大学進学を勧めた小嶺忠敏監督(写真)に対し、安藤はあくまで自分の意志を貫きプロ入りを決めた【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

 長崎総合科学大付属高や年代別日本代表での活躍を受けて多くのプロクラブが安藤に関心を示すようになったが、そこで安藤の前に立ちふさがったのは、大恩人でもある「小嶺先生」だ。「勉強のまるでできない子なら勧めないけれど、彼は勉強できるから」と大学進学を猛プッシュ。スカウトの中には「小嶺先生がいるから俺は行かないよ」と高校サッカー界の重鎮を前にして早々に手を引く者もいたのだが、「ウチは待ちますよ」と粘ったクラブも複数あった。

 安藤自身も「絶対に曲げません。プロに行きます」という姿勢を見せ続けて、怖さも十分の大監督と対峙(たいじ)する。ビビって何も言えなくなる選手も多い中で、たいした胆力だと周囲を感嘆させもした。ただ、小嶺監督の真意はプロ入り絶対反対ではなかったように思う。話を聞きながら透けて見えたのは「俺とぶつかって飛び出していくくらいの覚悟がないとプロではダメでしょう」という頑固親父ポジションである。実際、安藤は小嶺監督から大学進学のメリットやプロに行く厳しさをいかに説かれても意思を曲げず、「俺はプロに行きます」と言い続けた。そういう安藤の頑固に自分へ向かってくるスピリットを実は一番高く買っていたのは小嶺監督だったように思う。

 この流れなので安藤はプロ入りに際しても「絶対にプロで成功して見返したい!」と話している。このプロからオファーが来たことをゴールにして浮かれてしまうのではなく、「プロで成功して見返す」というところにゴールを設定させることこそ、小嶺監督が願っていたものだろう。長崎の"頑固親父"の下ですくすくと育ち、最後は強烈な親離れを経験して旅立っていったわけだ。

 今季から加入したC大阪ではAFCチャンピオンズリーグでトップデビューを果たし、早くもJ1リーグのピッチにも立った。高卒ルーキーとして見るなら順調な滑り出しだろう。ただ、常に飢えてきた安藤がここをゴールとはまったく思っていないはず。そもそも「順調」とも思っていないだろう。"福沢諭吉チック"なマインドを持って新天地へ飛び出し続けていく男が見据えているのは、もっと遠くであるはずだ。(2018年3月31日掲載記事)

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