2020年東京五輪そして世界に向けて、それぞれの地元から羽ばたくアスリートたちを紹介する連載企画「未来に輝け! ニッポンのアスリートたち」。第3回は京都府出身、女子プロテニスプレーヤーの加藤未唯(佐川印刷)を紹介する。
ジュニア時代を過ごしたパブリックテニス宝ヶ池。石井コーチ(右)に見守られ、加藤は自分らしいテニスの腕を磨いた【スポーツナビ】
加藤がまとう、一見すると執着心が希薄そうでひょうひょうとした雰囲気は、"努力する姿を他人に見せようとはしない"、彼女の姿勢によるところも大きいだろう。人には「ちょっとプラプラしてきます」と告げ、そっとジムやテニスコートに向かうタイプ。だが、いかに隠そうとも、マメが潰れ硬化した手のひらや、ナショナルチームのトレーナーが「持久力はバカみたいにある」と半ばあきれるほどのフィジカルが、彼女がたどってきた道を物語りはする。
それでも当の本人は、気恥ずかしさか、あるいは諧謔(かいぎゃく)精神からか、そのような性質に"矜持"のような大仰な言葉を当てはめることを好まない。
「なんも頑張ってない風に見えるでしょ? それが良いんです!」
明るい光を目に浮かべ、カラッと彼女は言い放った。(2017年11月28日掲載記事)