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阿部一二三、世界が驚嘆した柔道の原点 才能に頼らず、努力と挫折で成長した逸材(3) まとめ 未来に輝け! ニッポンのアスリートたち

2020年東京五輪、そして世界に向けて、それぞれの地元から羽ばたくアスリートたち。彼ら彼女らを「未来に輝け! ニッポンのアスリートたち」として連載で紹介する。第1回の注目アスリートは兵庫県出身、柔道の阿部一二三(日本体育大)だ。

挫折が阿部を強くした

リオへの道が絶たれた苦い経験が阿部をさらに強くした【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 だが、その快進撃が止まる日が訪れた。高校3年生で迎えた2015年11月の講道館杯で3位に終わったのである。

 試合後、阿部は涙を流しながら言った。

「負けられないプレッシャーがありました」

 その敗戦は、実は大きな意味を持っていた。グランドスラム東京大会に出られなくなるなどして、実質的にリオデジャネイロ五輪出場の可能性がなくなったからだ。阿部もその重みを知るからこそ、プレッシャーを感じ、敗れたのであった。また、研究されるようになっていたことも大きかっただろう。

 その経験が、阿部を強くした。

 2016年4月、全日本選抜体重別選手権で、一段とたくましさを増した姿を見せる。準決勝で大会後にリオデジャネイロ五輪代表に選ばれることになる海老沼に勝利すると、決勝では講道館杯で敗れた相手を破り、初優勝を遂げたのである。

 2017年になると、2月のグランドスラム・パリ大会で優勝し、全日本選抜体重別選手権で連覇。

 これらの成績により、世界選手権代表となった阿部は、見事、優勝を収め、66キロ級の世界一となった。

「一本を取りに行く柔道を出すことができました」

一定の手応えを口にしつつ、こう語っている。

「まだ、世界王者に1回なっただけです」

 阿部は野村忠宏の背負い投げを参考とし、憧れてもきた。野村は五輪で3連覇を成し遂げている。それを考えれば、まだまだこれからだ。そう考えているようだった。(2017年10月26日掲載記事)

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