森林を守ろう

地球にとってとても大切な役割を果たしている森林。それをどうやって守ればいいのか、調べてみよう!

森林の大切さ

  • 森林の役割はとても重要で、もし地球から森林がなくなったら、すべての生き物は生きていくことができません。木は、二酸化炭素(CO2)を吸って、酸素を供給してくれます。“たくわえる”機能にも優れています。「地球温暖化」の原因になっているのは、人間の生活から大量に排出される二酸化炭素などの温室効果ガスですが、木は吸った二酸化炭素を炭素としてたくわえます。降った雨を根や幹にたくわえることもできます。真夏に、木の下にいるとすずしいのは、木がたくわえた水分を放出する「蒸散作用(じょうさんさよう)」のためです。また森林は、生態系を守る重要な場です。樹木自身はもちろん、草やコケなどの植物、微生物、菌類、こん虫、鳥、は虫類、ほ乳類など、ありとあらゆる生き物が森林環境のなかで命をつないでいます。

消えゆく森林

  • パームオイルの原料となるアブラヤシ

    いま、世界の森林面積は約40億3000ヘクタール(2010年統計)で、陸地面積の31パーセントをしめていますが、年々減少しています。植林による増加分を差し引いても、2000年から2010年の間に、年平均で521万ヘクタール、10年間で日本の面積の約1.5倍にあたる森林が消えました。畑をつくるため、紙の原料、パームオイルの原料となるヤシを育てるため……と森林ばっ採の理由はさまざまですが、とくに、アフリカや南米の森の減少が深刻です。
  • 日本は“森の国”なのに……

    日本は国土の約70パーセントが森林におおわれています。一つの国がどれくらいの割合で森林におおわれているかを比べる森林率では、日本はフィンランドに次ぐ世界第2位の“森の国”です。森林がたくさんあるのはいいことですが、日本の場合は、森林の約40パーセントが戦後に植林されたスギやヒノキです。人が植林した森は、「枝を伐(か)ったり間引きをしたりして木を育てる→生長した木をばっ採して木材や製品として使う→植林する」という作業を人の手で行って循環させていく必要があります。ところが日本は、国産材(国内の森林からばっ採した木材)よりも価格が安い海外の木材を輸入して使っているので、放置されている森が多く、森がもつ役割が活かされていません。近年少しずつ国産材の利用は増えていますが、それでも70%は海外から輸入しています。日本の森林資源を活かすことは、海外で減少し続けている森林を守ることにもつながります。

森林を守る取り組み

身近な森を知る
みなさんが住んでいるところから一番近い森はどこですか? 間ばつが行き届いた森は明るく生き物がたくさんいます。どんな木が生えていて、どんな生き物がいるでしょう? 森を知るワークショップなどに参加してみるのもいいですね。
国産材の製品を使う
くらしの中にある身近な木材に、紙があります。日本では、輸入木材の9割近くが丸太ではなく製品として輸入され、その製品のうちの60パーセントが紙として使われます。そのほかワリバシもほとんどが中国などから輸入されています。こうした身近なものから意識して、選べる機会があったら国産材を使用した製品を使ってみてください。森を育てるためにかり出された「間ばつ材(かんばつざい)」を利用した製品もあります。

写真:間ばつ材を利用した製品に表示される「間ばつ材マーク」

動画で学ぼう!(NHK for School)

(外部サイト)
  
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