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学童の待機児童なくならず

一面の記事から
朝日小学生新聞 

定員・職員不足 去年5月1万7千人入れず

 小学生が放課後を過ごす「学童保育」(放課後児童クラブ)について、働く保護者が増えているため数が足りず、入りたくても入れない子どもがいます。新たに学童保育の定員を2021年度末までに25万人増やす国の計画が発表されましたが、職員の不足や、子どもたちが安心して過ごせる環境が守られるか心配の声もあります。(畑山敦子)

政府「21年度末までに解消」

 東京都町田市の市立小川小学校の学童保育「わんぱく学童保育クラブ」では、小学1~3年生の約70人がいます。
 おやつの後、後片付けの役割はじゃんけんで決めます。「机ふく!」「お皿もってくよ」。あちこちから元気な声が聞こえてきます。
 施設責任者の小野さとみさん(56歳)は、学童保育の職員を30年以上勤めてきました。遊びが盛り上がる時もあれば、物の取り合いなどでけんかになることも。小野さんたち職員が子どもたちと話し合い、解決します。「一人ひとりをよく見て、みんなに居場所をつくることが大事です」
 学童保育は小学校の中や児童館などにあり、遊んだり、宿題をしたりして過ごします。市町村やNPO法人などが運営し、去年5月時点で全国に約2万4500か所、約117万人の小学生が利用しています。
 女性が働く割合が高くなり、厚生労働省の調査では、利用登録する子は10年間で約42万人増えました。しかし定員が追いつかない状況が続き、希望しても入れない待機児童は解消せず、去年5月時点で約1万7千人います。
 国は9月、2021年度末までに25万人分の学童保育の定員を増やし、待機児童を解消する計画を発表しました。さらにニーズが増えるとみて、23年度末までには18年度末と比べて計約30万人分増やし、約152万人分にする予定です。
 ただ、安心して過ごせる環境の確保や「放課後児童支援員」(支援員)など職員の不足が心配されています。
 15年4月から、学童保育には子ども40人あたり2人以上の職員を配置し、そのうち1人は保育士などの資格があって、子どもの育成支援について学んだ支援員にする基準を決めました。わんぱく学童の小野さんも支援員です。

職員の基準緩和は質低下も

 全国学童保育連絡協議会によると、学童保育の職員は集まりづらいといいます。理由の一つは低賃金です。協議会の14年の調査では、週5日以上働いても6割以上の人が年収200万円未満でした。経験をつんだ人が昇給するための補助制度はありますが、まだ広まっていません。支援員が足らず、学童保育が開けなくなる例もあります。
 一方、地方自治体の権限を増やす議論をしている内閣府の審議会では、学童保育を運営する自治体から「基準があることにより、支援員の確保に支障をきたしている」と、基準をゆるめるよう求める意見も出ています。
 小野さんは「もし職員が1人だと1か所しか見ることができないので、子どもたちが外と中に分かれて遊べず、けがや災害など緊急時の対応が難しい」と心配します。
 協議会は、基準をゆるめれば「資格のない大人が1人でおおぜいの子をみる可能性もある」などとし、基準を守ることを求める署名活動をしました。協議会事務局の佐藤愛子さんは「学童保育を増やすなら、子どもたちが充実した時間を過ごせるよう質も確保しなければいけません」と話します。

利用登録する子は10年で42万人増

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