いま、わたしたちにできる国際協力

みんなは毎日あたり前のように「水」を飲んだり、「学校」で勉強したりしているよね。世界にはそれがあたり前ではない人たちがいることを知っていますか? 世界の人たちの生活の様子と、国際連合(国連)の活動を見てみよう。そして、みんなができることを考えてみよう。

世界ではこんなことが起こっている

きれいな水を喜ぶサラ(アフリカ・マラウィ)

毎日水くみに片道1時間
マラウィのムジカウォラ村に新しく井戸(いど)が掘(ほ)られることが決まってから、サラという少女の生活は大きく変わりました。井戸ができるまでは、サラの村の人たちは毎日片道1時間をかけて、川まできれいな水をくみに行かなければなりませんでした。

「井戸ができるまでいろいろな病気に苦しめられたわ。遠くの川まで大きな水がめをかかえて行くのでへとへとになり、おまけにその水の質はとて悪かったの。」とサラは言いました。

井戸が豊かな生活をもたらした
水くみのために毎日川まで通う必要がなくなり、村の人たちはその代わりに畑で働く時間を持てるようになりました。畑でいろいろな作物を育て、野菜をたくさん食べて、家族の栄養状態がよくなりました。余った作物は市場で売り、ほかの農作物と交換(こうかん)します。サラはこう話します。「たったひとつの井戸のおかげで清潔な水を飲むことができるようになりました。井戸はわたしたちに心の安らぎや豊かな生活をもたらしてくれたの。」

サラの住むマラウィは、49カ国ある世界の最も貧しい国のうちのひとつです。マラウィをふくめ、これら貧しい国には6億5千万人が住んでおり、その半分以上が1日1ドル(およそ100円)以下でどうにか暮らしています。国連はサラのような人々に自分の力でよりよい生活を送ってもらうために、井戸を掘るなどの手助けをしています。

教育の権利(南米、ボリビア)

なれない言葉での授業
グァラニ・インディアンは南米のボリビア、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイに住んでいます。何年か前、ボリビアのグァラニ族から国連に手紙が届きました。それにはこう書かれていました。「何年も前、この場所に学校ができた時、教育こそが貧しい生活からぬけ出して豊かになる方法だと教わりました。わたしたちは、お金を少しずつ貯めて学校を建て、政府に学校の先生を派遣(はけん)してもらいましたが、この学校はちっともうまくいっていません。」

実は、政府はインディアンもスペイン語を学ぶべきだと考えており、学校の授業はすべてスペイン語で行われていました。しかし、スペイン語になれないグァラニの子どもたちは勉強をする気力を失ってしまっていたのです。

自分たちの言葉で勉強できる
1989年、国連の2つの機関、国連児童基金(ユニセフ)と国連教育科学文化機関(ユネスコ)の代表が、この状況(じょうきょう)を変えるためにグァラニの人々とボリビア政府の人に会いに行きました。そして、グァラニの子どもたちがグァラニ語とスペイン語の両方を勉強できる新しい教育プログラムを始めました。このプログラムはとてもうまくいっています。

グァラニの人々は今、希望を持っています。ある村人は国連に次のような手紙を送ってくれました。「子どもたちは、前よりもたくさんのことを楽しく学んでいます。自分たちの言葉を話したからといって罰(ばっ)せられることなく、自由に自分を表現できるようになったのです。」

わたしたちにできる国際協力を考えよう

あたり前のように水を飲めたり、学校で勉強できたり、わたしたちが人間として生きるために欠かせない権利のことを「人権」と言います。人権はみんなにあるものなのでしょうか。

  • 人権ってなに?

    生まれてきた人間すべてに対して、その人が能力を発揮できるように、政府はそれを助ける義務があります。その助けを求める権利が人権です。人権はだれもが持っています。

    豊かな人も貧しい人も、強い人も弱い人も、男性も女性も、人種や宗教に関係なく、すべての人間が平等にあつかわれることを保障するという義務は、あらゆる国で認められています。貧しいからと言って、女の子だからと言って、小学校に通えないということはあってはなりません。肌(はだ)の色で差別されることもあってはならないのです。

  • 12月10日は、「人権デー」

    1948年12月10日、すべての人間が平等にあつかわれることを保障する「世界人権宣言」が国連で定められ、その後、毎年12月10日は「人権デー」になりました。

    「世界人権宣言」は、世界の国々にとっての人権の基準です。この宣言によって、地球上のだれもが平等でいられる社会にすることが、世界中の人々の賛成を得て決まりました。それ以来、国連は、女性、子ども、障がい者、高齢者(こうれいしゃ)の権利を守る条約や、人種差別に関する条約など、数多くの国際条約を定め、世界の国々にこれらの条約に基(もと)づいて行動するよう、呼びかけています。

みんなも考えてみよう

差別や偏見(へんけん)なく、世界の人々が平等に暮らしていけるようにするため、いま、わたしたちができることはどんなことだろう?
たとえば、こんな国際協力があります。
・使用済みの切手を、お金にかえて役立てている団体に送る。
・いらなくなった絵本を、世界の子どもたちに絵本を送る活動をしている団体に送る。

みんなも自分たちにどんな国際協力ができるか考えてみよう。そして、みんなが行ったことがあること、これから行ってみたいことを教えてね。

もっと調べたい人はこちら

協力:国連広報センター

2013年の「人権デー」(12月10日)に際し、国連広報センターは障がい者の権利にスポットを当て、障がいを持つ方々や関係者へのインタビューをもとにしたストーリーをウェブ上でご紹介(しょうかい)しています。
国連広報センター 「人権デー2013」(外部サイト)

掲載期間:2013年12月9日〜2014年12月8日